「中国『旧満州』の観光資源」 -画像が語る最新情報- を開催して

「中国『旧満州』の観光資源」 -画像が語る最新情報- を開催して

金沢星稜大学 沢田 史子

平成18年11月29日(水)に金沢星稜大学ORCプロジェクト主催、観光情報学会かが・のと観光情報学研究会共催の講演会を金沢文芸館で開催しました。
観 光情報学会理事(かが・のと観光情報学研究会主査)の金沢星稜大学・大薮多可志教授から、18年9月にORCプロジェクトで調査訪問された中国敦煌の観光 資源の現状について講演がありました。最新の様子を、たくさんの映像と共に紹介されました。その内容の一部をご紹介します。敦煌市は人口18万人で四方が ゴビ砂漠に囲まれています。観光産業が盛んで、その収入は市全体の50%を超えているとのことです。全観光客数は年間約100万人で、外国人観光客は日 本、欧米(米・英・仏)、韓国、香港、台湾からが多く、特に日本人の高齢者ツアーが非常に多いそうです。主な観光資源としては、世界遺産の莫高窟、シルク ロードの要衝・陽関、美しい砂丘が連なる鳴沙山、西千仏洞、三危山、敦煌博物館、白馬塔、敦煌故城、沙州市場があります。雄大な敦煌の風景に、遙かなるシ ルクロードに思いを馳せる一時でした。
かが・のと観光情報学研究会幹事の金沢星稜大学・沢田史子は、18年8月に同ORCプロジェクトで調査訪問 した中国東北三省の観光資源の現状と課題について講演を行いました。東北三省は満州国時代の建物が数多く残っており、現在でも各機関の施設として使用され ています。そのため、大連などには多くの日本人が訪れています。遼寧省の外国人観光客の4~5割が日本人です。西暦698~926年に中国東北部から高句 麗にかけて渤海国が起こりました。その都の遺跡を世界文化遺産としてユネスコに登録を推進中です。奈良・平安時代に渤海国と日本との人事往来や交易が行わ れていたことからも、日本人にとっては興味深い観光資源となる可能性を秘めています。しかし、観光インフラは未整備の状態なものが多く、今後のハード・ソ フトインフラ整備が重要な課題です。
金沢工業大学・平野嘉代子講師からは、兼六園における外国人観光客のための言語景観調査報告がありました。園内の全ての案内板の調査を行い、外国人観光客にとっての整備状況の評価結果が報告されました。
・ 石川県訪問外国人 約10万人(2005年)
・ 兼六園訪問外国人 約8万人(2005年)
・ 兼六園内看板総数は 約160枚 (5.3枚/1,000坪)
・ 英語圏観光客には手厚い看板数
・ 台湾観光客には看板数がかなり少ない
石川県は東アジア、特に台湾からの観光客が多く、兼六園を訪れる外国人の67%が台湾人観光客であることから、中国・韓国・台湾からの観光客増加を目的とした言語景観の構築が重要であると提言されました。
参加者は金沢星稜大学の学生などを中心とした21人でしたが、アットホームな雰囲気の中、活発な議論がなされました。講演会後に撮影した記念写真を以下に示します。

^ Page Top
The D.I.Y. theme kit for Drupal 6.x by DRUPAL*DRUPAL.